シミ・くすみ治療とは
シミの原因はお肌(表皮)の深層部にあたる基底層で生成されるメラニン色素です。通常このメラニン色素は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)とともに自然に排出されます。しかし加齢やホルモンバランスあるいはストレスや生活習慣など様々な要因によって皮膚のターンオーバーが乱れ紫外線やその他の刺激により生成されたメラニン色素が自然に排出されないと、メラニン色素が内部に蓄積され”色素沈着”が起こります。これが一般的に私たちがシミと言っているものです。
ただ、シミとは実に曖昧な表現で種類や特徴によって「老人性色素斑」「肝斑」「雀卵班」「炎症後色素沈着」など様々なものがあります。
当院では医師の診断の基、それぞれのシミに合った適切な治療方法を提案させて頂いております。
皮膚のターンオーバー
シミのメカニズム
シミ・くすみ治療の特徴
当院はシミを薄くするために、基本的に3つのアプローチが重要と考えております。
①院内施術:現在あるシミをレーザー治療などにより改善する
②内服治療:お肌の状態を健康に保ち、ターンオーバによりメラニン色素がしっかりと排出される状態・シミの出来にくい状態を保つためのお薬の処方
③外用治療:ピーリングやドクターズコスメその他の外用治療によって美白・美肌の促進を行う
①は、それぞれのシミの特徴に合った適切な医療用レーザー等による治療を医師が診断の基に決定し施術を行っております。
②は内服薬による、シミ予防です。シミが出来にくいお肌に整え、体の内側から美白を促進します。当院では医師が診断の基、患者さまのニーズに合った内服薬を処方しております。また体の内側からも紫外線対策が出来るよう当院では飲む日焼け止め等もご用意しております。
③は、内服治療で体の内側から皮膚のメインテナンスと共に外側からもお肌に潤いや栄養を与える事により、美肌・美白の促進を行います。三位一体の総合的なシミへのアプローチをする事によりシミが出来にくくなるお肌の状態を効率よく効果的に作りあげる事が可能です。当院では美肌のための多角的アプローチとして医療機関のみで販売されているドクターズコスメを取り扱っております。
※メラニン色素の過剰生産を避ける行動をする事はシミのない透明感のある美肌を維持するために前提となる基本指針です。いくら頑張ってケアをしても過度に紫外線を浴びてしまったり、皮膚を余計な刺激を与えてしまっては意味がありません。日常生活において正しいスキンケアが可能になるように当院では指導も行なっております。
シミ・くすみの種類
老人性色素斑は日光性黒子とも呼ばれ、その名から想像出来るように、これはこれまでで浴び続けてきた紫外線の積み重ねによって出来るシミで、年齢を重ねるにつれてどんどん濃くなっていきます。一般的に30代からより現れやすくなるシミではありますが、人によって20代から出来始めます。紫外線に晒された肌はその紫外線から肌細胞を守るためにメラノサイトからメラニン色素を生成します。本来メラニン色素は皮膚のターンオーバーによって排出されますが、加齢により肌代謝の機能低下と過度な紫外線によりメラニン色素が過剰に生産され、ターンオーバーでは十分に排出されきれず、そこにさらに紫外線を浴びる事によって色素沈着を起こしてシミとなってしまいます。
治療方法
老人性色素斑の治療にはレーザーによるメラニン色素の破壊による治療が他のシミに比べても効果が高いです。当院では医師の診断によりQスイッチYAGレーザーと光治療(IPL)を使い分け治療にあたっております。またレーザー使用に組み合わせる形で内服治療、外用治療も有効的です。
レーザー治療
QスイッチYAGレーザーと光治療(フォトフェイシャル・アキュチップ) を基本に治療を行います。
内服治療
ビタミンC、トラネキサム酸の処方を強くお勧めしております。
外用治療
美白効果のあるハイドロキノンは老人性色素斑の改善も期待できる外用薬です。光治療(IPL)と組み合わせる事により、シミの改善により効果的です。
肝斑は主に女性ホルモンが影響していると言われています。そのため女性に多いシミで、妊娠や出産またストレスによるホルモンバランスの乱れが肝斑を引き起こすと考えられています。肝斑の代表的な特徴として左右対称にほぼ同じ形や大きさで現れる事です。特に頬骨のあたりによく現れ、比較的広範囲でぼやっとした輪郭のはっきりしないシミです。肝斑は30代〜40代の女性に多く見られ、老人性色素斑と混在する事も多々あります。
治療方法
肝斑の治療方法として一番基本になるのはビタミンCとトラネキサム酸の服用です。老人性色素斑の治療に内服だけで治る事はありませんが、肝斑の場合は内服だけで治る事も稀ではありません。また肝斑は擦らない事が非常に重要になってきます。肝斑が出現している箇所はマッサージなども注意が必要です。刺激を与えない事が何よりも大切です。
レーザー治療
肝斑の治療は内服治療と外用治療を基本としており、レーザによる単独での肝斑治療はお勧めしておりません。肝斑の内服/外用治療で効果が出ている事を前提に補完する形でレーザーを使用することとなります。その場合は肝斑トーニングとして非常に低出力のレーザーを当てる事によって、メラノサイトを刺激せずにメラニン色素のみを破壊していきます。従来のレーザー機器では出来なかった肝斑のレーザー治療ですが、ここ最近の技術革新により肝斑の治療も出来る機器が増えてきました。とはいえ副作用がある事もあります。そのため、肝斑トーニングは医師がしっかりと診断をする信頼の出来る医院でお受けする事をお勧めいたします。当院でも医師がしっかりと診断をした上で、内服/外用治療を基本にリスクの少ない治療を提案しております。
内服治療
トラネキサム酸とビタミンCの組み合わせが基本となってきます。トラネキサム酸の抗炎症効果とビタミンCの抗酸化作用を組み合わせる事が肝斑の治療に非常に有効的です。メラニン色素の生成を抑える効果のあるハイチオールも組み合わせております。
外用治療
ハイドロキノンやビタミンAまたはビタミンCのイオン導入で内服治療の補完を行います。
そばかすの事です。色素斑が雀の卵の形に似ている事から雀卵班という正式名称になっています。遺伝(常染色体優勢遺伝)が主に原因のシミと考えられており、両親のいずれかにそばかすがあると、子供にそばかすが発症する可能性が高いと言われています。両頬部から鼻にかけて非常に小さい5mm 以下の斑点が左右対称に無数に出ます。早い子では5歳くらいからシミが顕著化し始め、成長とともに量も増え、思春期に差し掛かると超えるとだんだん濃くなる傾向にあります。大人になるにつれ少し薄くなりますが、これは個人差もあり、大人になっても完全に消える事は少ないです。また、多くのシミに共通して挙げられる紫外線もそばかすの大きな原因の一つです。皮膚は紫外線を浴びる事により表皮基底層でMC1Rという外部からの刺激を受けるアンテナの役割を果たす受容体が活性化し、結果としてより多くのメラニンを生産してしまいます。紫外線からお肌を守り、過度な刺激を与えない事も非常に重要です。
治療方法
多くのそばかすはレーザー治療にて綺麗に治す事が可能です。当院では、患者さまのそばかすの状態に合った、レーザーを医師が選択をし施術にあたっております。またピーリングを行う事によっても改善効果が期待できます。
レーザー治療
光レーザー治療
内服治療
ビタミンCの服用はあらゆるシミに効果的です。同時にビタミンEやLーシステインを服用する事によってアンチエイジングやお肌のターンオーバ正常化しを改善の相乗効果が得られます。当院では医師が患者さまの状態に合わせたお薬を処方し、多角的にシミにアプローチしております。
外用治療
外用薬としてもビタミンCは非常に効果的です。またメラニン色素を作りにくくする美白剤としてハイドロキノン 、さらにビタミンA導入体により肌に潤いを与え、シミのコントロールに役立てていただけます。
炎症後色素沈着は読んで字の如く炎症後にお肌に出来てしまうシミの事です。ニキビや火傷湿疹、虫刺され、外傷の後によく見られる褐色斑です。これは炎症によって刺激を受けたメラノサイトがメラニン色素を作り出すため起こります。通常、炎症が引いていくとメラニン色素の生産も落ち着いてきますので、時間が経つと肌のターンオーバーもあり徐々に薄くなっていきます。ただし症状が悪化してしまった場合にはシミとして残ってしまうケースもあります。ムダ毛の処理を繰り返す事により、脇などが黒ずんでくるケースなどはこれに当たります。
治療方法
炎症後色素沈着は時間はかかりますがほとんど治る傾向にあります。6ヶ月〜1年間という長期をみての治療となりますが、内服治療と外用治療を地道に行い、お肌の健康維持と保湿を続ける事で確実に改善方向に向かいます。ただし、治療期間に患部を擦ってしまったり無駄な刺激を与えてしまうと悪化してしまったり治療がさらに長期に渡ってしまう事もあり得ます。場合によってはレーザーやフォトフェイシャルなどの光治療を用いて肌の色素代謝を促進させ、メラニン色素の積極的な排出を図ります。また当院では、外用治療を中心に、イオン導入やケミカルピーリングによって治療する事もあります。
内服治療
ビタミンCの服用を基礎にトラネキサム酸で補完をお勧めしております。
外用治療
ハイドロキノン 、トレチノン外用薬の付け方をご指導致します。経過を見て薬剤の調整を行います。2週間に1度通院して頂きます。当院で治療期間は2ヶ月ほどですが、保湿は非常に重要ですので、患者さまご自身で継続して行って頂く必要があります。また、ケミカルピーリングを月に1度ほど組み合わせるとさらに漂白効果が高まるかと思います。
A M Dは厳密に言うと青アザの一種で通常のシミよりもさらに深い皮膚の真皮層で起こる色素病変です。両頬や目の周辺、額などに褐色〜灰褐色の色素班が見られるのが特徴です。そのため肝斑や老人性色素斑との区別がしにくい場合もあり医師による的確な診断が必要になります。
治療方法
AMDは内服治療や外用治療では改善が難しく、Qスイッチレーザーにしか反応しません。適切な診断のもと当院ではQスイッチレーザーでの治療にあたっております。
レーザー治療
QスイッチYAGレーザーにて治療を行なっております。
アトピー性皮膚炎は様々要因が複雑に絡みあい起こる慢性の皮膚炎で、全身に悪影響を与えるという事が徐々にわかってきています。お肌を正常に保つ事は健康維持のためにも非常に重要なのです。また炎症を繰り返しているうちに色素沈着を起こしやすくなります。発症箇所は皮膚が薄く、外部からの刺激に弱いため患部はメラニン色素が過剰に生産されやすい環境になっているからです。塗薬で炎症のない状態を作り続ける事が非常に大事になってきます。アトピー性皮膚炎は多因子性ですので治療も長期に渡る事が多く、単一の原因を改善しただけでは簡単に治らない病気です。また治療方法を誤ると再発を繰り返したりかえって悪化してしまう恐れもあります。逆に長期的に計画を立て的確な治療を行う事で確実に改善しますので、まずは受診をお勧めします。継続していくと徐々にアトピーによる色素沈着も良くなっていきます。
治療方法
日本皮膚科学会の最新のアトピー性皮膚炎治療のガイドラインでもステロイドは治療の基本となる外用薬とされています。ただし、ステロイドは使い方次第でその後の治療効果が大きく異なります。間違った使い方を続けてしまった結果、毛細血管が拡張し酒さ様皮膚炎など様々なトラブルを引き起こしてしまった患者様も当院には沢山来られます。ステロイド軟膏は湿疹治療の要で非常に重要かつ有効な治療薬ですが、それと同時に治療計画を立てて適切な治療を経過観察とともに行っていく事がさらに重要です。当院では、ステロイド軟膏に加えてタクロリムス軟膏やデルゴシチニブ軟膏など経過を見ながら適切な軟膏を処方しております。ステロイド軟膏の副作用を極力減らし治療しております。
また、アトピー性皮膚炎は先述した様に多因子性の疾患ですので、皮膚炎から見える根本原因を追求し必要に応じ付随した治療も行っております。
外用治療
診断のもと軟膏を処方しております。