頭痛治療
現代社会において頭痛に悩まされている方は非常にたくさんいらっしゃいます。頭痛は国際頭痛分類と呼ばれる医学的な分類があり、病気の一つです。
頭痛がひどい場合は、何も手につかないほど痛みに悩まされたり、吐き気を催したり、横になって休んでも痛くてどうしようもないなど非常に辛い経験をされている患者さんも多いのではないでしょうか。こうした日頃の頭痛に悩まされている方の中には、いわゆる頭痛持ちだから仕方がないと諦めてしまい、医療機関に受診するほどではないと自己判断をしてしまい頭痛を我慢する日々を送っている事が多いようです。およそ、日本人の4人に1人の割合で頭痛持ちの方がいると言われていますが、受診率の低い理由として、病気であるという認識が低い事、また慢性的に悩まされるため受診を先送りにしてしまっている、またはどこに診て貰えばわからないといった事が挙げられます。まずは、お気軽にご相談ください。当外来では頭痛を疾患として扱い、西洋医学だけでなく東洋医学的知見からも診療を行っております。
主な頭痛の種類
①偏頭痛
習慣性頭痛の中で最も良く知られている頭痛で耳にされた事のある方も多いのではないでしょうか?
症状:
目やこめかみのあたりからズキズキと締め付けるような痛みが特徴的です。また吐き気や嘔吐を伴う場合も多々あります。光や音、気温など周囲や環境の変化に敏感になったりするので日常生活に支障をきたすレベルで痛みに悩まされる事も多いです。
原因:
現代医学では偏頭痛の原因ははっきりと解明されていませんが、脳の血管を取り巻く三叉神経の炎症が関わっているのではないかと考えられています。また20〜40代の女性に多くみられる事から女性ホルモンとの関係性も疑われていますが、男性にも起こります。また過度なストレス状態やその状態からの解放からも偏頭痛を起こす事があるようです。
治療方法:
今まではこれといって特効薬がなかったのですが、近年はトリプタン系薬剤を服用する事で劇的に治療が出来るようになりました。トリプタンは三叉神経周辺の炎症を抑え脳の血管を収縮させ痛みを軽減させます。一般内科で使用経験が少ないと診断がうまくいかず処方に偏りがあったりしますが、当院では頭痛治療を長年行ってきた経験より偏頭痛も多数拝見しております。頭痛が起きたらすぐに服用する事をお勧め致します。また、偏頭痛は環境の変化に非常に敏感なため痛みが襲ってきた際の咄嗟の対処方法も併せて指導させて頂いております。
②筋緊張性頭痛
慢性頭痛の中で、最も一般的で患者数が多い頭痛です。この頭痛は過度のストレスや緊張が関係しているとされる頭痛の総称で、頻度により稀発反復性緊張型頭痛、頻繁反復性緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛に分けられます。
症状:
拍動感がない事が特徴的です。前兆はなく左右両側で痛みがある事が多く、頭全体、もしくは後頭部から首にかけて圧迫感のある締め付けるような痛みがあります。コメカミの周辺がギュッ締め付けられるような痛みがある事があり、偏頭痛と間違われる場合もあります。また、実際には偏頭痛と合併している場合も多く見られますので、しっかりとした診断が必要になってきます。
原因:
日頃の作業環境に依存する事が多く、不自然な姿勢での長時間にわたる作業(パソコン作業、携帯作業、運転など)が一因とされています。体の冷えや身体的な疲労も原因となり得ます。筋緊張性頭痛のメカニズムも完全には明らかになっていませんが、筋肉の緊張による血管の圧迫や血行循環の不良によって起きると考えられています。
治療方法:
治療薬は筋弛緩剤や漢方(葛根湯)が効く傾向にありますが、人によって効果差がみられます。高血圧を治療すると同時に改善するケースもありますので、ストレスの回避や日々の作業の改善が奏功することも大変多いので、環境を見直す事も有効的です。
③群発頭痛
群発頭痛は一定の期間集中して頭痛が起こる事から名称されました。決まった期間、あるいは時間帯に激しい頭痛発作起こります。頭痛は起きている期間のことを群発期と呼び、それ以外の期間は痛みはすっかり治ります。
症状:
目の奥がえぐられるような突き刺すような激しい痛みが特徴的です。
原因:
視床下部が刺激され、目の後ろに通っている動脈が拡張して炎症が起きるためと考えられています。誘発原因としてはアルコール摂取、タバコ、不規則な生活などが挙げられています。
治療方法:
激しい痛みである事が、市販の鎮静剤やトリプタン系の内服では即効性は期待できません。そのため発作時には皮下注射薬や点鼻薬を用いる事もあります。飲酒やタバコが誘発原因と考えられている事からも頭痛が起こりやすい期間には禁酒・禁煙を行う事も重要になってきます。
当院での治療の特徴は、頭痛が起きた時の痛みを抑えるだけの治療(特効薬)ではなく、頭痛を起こり難い体質や体調を作る予防的治療(根本治療)を行っている点です。多くの方が今まで悩んでいた辛い頭痛や難治性の疼痛疾患から開放され、生活の質が格段に向上されております。
※当院は頭痛の治療には医師による問診と診察が不可欠と考えております。頭痛は脳腫瘍・くも膜下出血・膠原病など危険な病気が潜んでいる可能性もあるため、場合によっては頭部CTやMRIなどの画像検査に加え血液検査なども行うこともあります。医師が早期に的確な診断をするために、患者さん自らが自身の頭痛の特徴や頻度を理解し、症状を正確に伝えて頂く事もまた重要な判断基準となってきます。