フィナステリドとデュタステリドの違い
男性型脱毛症(AGA)抜け毛の原因
乱れたヘアサイクル
AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略称で日本語に訳すと「男性型脱毛症」です。AGAに関与する主なアンドロゲンは男性ホルモンのテストステロンが5α-リダクターゼ(5α-還元酵素)により変換されたDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンにあるとされています。
5αリダクターゼは「5α-リダクターゼⅠ型」と「5α-リダクターゼⅡ型」の2つにわけることができます。どちらもDHTへの変換に作用します。「フィナステリド」および「デュタステリド」はどちらも5αリダクターゼを阻害する働きをもっていますが、最も重要な違いとして、デュタステリドがⅠ型5α-リダクターゼとⅡ型5α-リダクターゼ、両方を阻害してDHTへの変換を抑制するのに対して、フィナステリドは、Ⅱ型5α-還元酵素のみを阻害するという点です。
当然、Ⅰ型とⅡ型の5α-リダクターゼを阻害するデュタステリドの方がフィナステリド よりも効果を期待できる可能性があります。男性型脱毛症に対する24週間の二重盲検試験の結果によると、フィナステリドでは73%、デュタステリドでは92%の血清DHT値の減少が認められ、またフィナステリドの血清半減期は6〜8時間と短い一方で、デュタステリドの血清半減期は3〜5週間と長いことが知られています。
デュタステリドはフィナステリドより全般的にやや優れた効果を示しましたが、反面、性機能の低下といった副作用の頻度が高いです。デュタステリドではほぼ完全にDHTの合成を阻害しますので、性的機能に影響を与える可能性があります。一方、フィナステリドはDHT合成を完全には阻害してないので、性的機能に影響を与える可能性はほとんどありません。
AGA治療では、体質や生活様式に合った処方をしていくことが重要です。そのため一概にフィナステリド とデュタステリドのどちらの薬が有効とは断言できません。 自己判断はせずに、必ず医療機関で医師と相談の上治療を進めていく必要があります。